歯周病は歯そのものではなく、歯周組織を破壊していく病気です。歯周組織とは歯肉・歯根膜・歯槽骨・セメント質で構成されており、歯を支えるための役割を担っています。
歯周病の要因となっている汚染された組織やプラークを除去すれば、歯周組織は再生し始めます。しかし、放置すると歯槽骨よりも歯肉の再生が早く、歯槽骨が増えて欲しい部分に歯肉が増えてしまうので、歯槽骨を増やすことが難しくなります。
そのためGTR法では、歯槽骨が増えるべき位置に人工膜を入れて、歯肉が入り込まないようにスペースを作る処置を行います。
歯を失った時の対応策のひとつに、インプラントがあります。インプラントは他の方法より天然の歯に近い噛み心地があり、周囲の歯に負担をかけないメリットがあります。しかし、インプラントを埋め込むにはあごの骨の量が十分でなければならず、歯周病などで骨が減っている場合、インプラントを埋め込むことができないケースがあります。
GBR法は上記のようなケースで骨を再生させたい時に用いる方法です。骨の再生には数ヶ月を要しますが、リスクを低くしてからインプラントを埋め込むための方法として数多くの症例で利用されています。
エムドゲインは2002年に日本の厚生労働省の認可を受けている比較的新しい方法ですが、世界では数十ヶ国で利用されており実績も豊富な再生方法です。
治療としては、フラップ手術と呼ばれる方法で歯ぐきを切開して、歯根の表面や残っている歯槽骨に「エムドゲイン・ゲル」というたんぱく質を塗ります。これによって歯がはえてくる時に酷似した環境が形成されて、歯周組織の再生が起こります。
歯周組織が再生する期間は症例によって異なりますが、半年程度で失った骨が再生され、レントゲンなどでも可視化できるレベルになります。
リグロスは治療の方法としては上記のエムドゲインと似ています。リグロスはまだ新しい再生方法ではありますが、使用する薬剤であるリグロスが日本で開発されていること、エムドゲインとは異なり、保険が適用されるので治療に掛かる費用が比較的安く済むことなどの特徴があります。